まさに、これをこそ「ここが天王山」と呼ぶのだろう。

　羽柴 秀吉と明智 光秀が激突し、天下分け目の戦いの舞台となった京都の地で、記念すべき第1回CARDBOX OPENが開催された。

　177名ものプレイヤーが鎬を削ったスイスラウンド7回戦。長く険しい戦いの中、己の技を駆使して戦い抜き、天国と地獄の境界――プレイオフへの進出を懸けたバブルマッチへと足を踏み入れる、2名のプレイヤー。

　白畑 元(愛知)と岩元 伸幸(岐阜)。

　開始前、フィーチャーマッチエリアへと通された2人は談笑を交えつつシャッフルを開始する。和やかなムードながら、その目には闘争心が熱く滾っていた。

　負けるわけにはいかない。そんな強い想いと共に、両雄固く握手を交わして戦いを開始する。

　決勝ラウンドへ駒を進めるのはどちらか1人のみ。その切符を手にするのは果たして――？

白畑 元(愛知) vs. 岩元 伸幸(岐阜)

　先手後手の決定のために行われたダイスロール。幸先よく「12」を出し、先攻の権利を得たのは岩元だ。対する白畑はマリガンからスタート。

　岩元が《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》、白畑が《霊気との調和/Attune with Aether》をプレイ。互いに自己紹介を終えると、岩元は続くターンに《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》2体を戦線に追加し、素早く3点クロックを刻み始める。

　返す白畑も《導路の召使い/Servant of the Conduit》で応じるが、岩元はこれに《致命的な一押し/Fatal Push》を打ち込みながらさらに5点クロックで白畑に迫る。苦しそうに呻く白畑は盤面に触る手段を持たない。

　やむなしと白畑は3ターン目に《織木師の組細工/Woodweaver's Puzzleknot》を設置し、4ターン目に《霊気池の驚異/Aetherworks Marvel》をプレイする。すでにライフは6まで削られてしまっており、予断を許さない状況だ。

　返す岩元が一斉攻撃の号令をかけたところで、祈るように《霊気池の驚異/Aetherworks Marvel》を起動。トップの6枚を静かにめくって――

　そして、そこに希望が残されていないことを認め、静かに土地を片付けるのだった。

　第1ゲーム同様にマリガンスタートとなってしまった白畑が先攻となってゲームが開始される。

　《導路の召使い/Servant of the Conduit》からスタートし、《霊気との調和/Attune with Aether》、《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》、《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》と順調にエネルギーを蓄えながら攻め立てる白畑。対する岩元も《リリアナの誓い/Oath of Liliana》で《導路の召使い/Servant of the Conduit》を処理しつつ、《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》や《歩行バリスタ/Walking Ballista》で

　だが、形勢は第5ターン目に白畑側へ一気に傾くこととなる。5枚の土地をタップし、プレイされたのは《栄光をもたらすもの/Glorybringer》！戦場に現れるや否や素早くレッドゾーンを駆け巡り、「督励」せずに岩元の下へ奔る。

白畑 元(愛知)

　これに大きく息をつきながら《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》をプレイする岩元だったが、それも即座に《栄光をもたらすもの/Glorybringer》に処理されてしまい、岩元の盤面には飛行クロックに対して意味をなさない騎士・同盟者トークンとゾンビトークンが並ぶのみとなる。白畑は攻撃の手を緩めることなく、《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》でトークンを生み出しながら岩元にタイムリミットを突き付けてゆく。

　対する岩元も《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《グレムリン解放/Release the Gremlins》をプレイしてトークンで地平線を埋め尽くしていくが、ライフレースを席捲する大空の支配者に対抗する手段を引くことができない。最後となるドローを確認すると、その運命を第3ゲームへと託しサイドボードへ手を伸ばした。

　白畑が《牙長獣の仔/Longtusk Cub》を戦線に送り込み、岩元が《リリアナの誓い/Oath of Liliana》で応じる幕開けとなった第3ゲーム。返す白畑は《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》をプレイし、トークンを生み出して岩元に迫り、岩本は《無許可の分解/Unlicensed Disintegration》で《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》を処理しながら《苦い真理/Painful Truths》で手札の拡充を図る。

　攻める白畑と受ける岩元。そんな役割が見えてきたところで、白畑がプレイしたのは《栄光をもたらすもの/Glorybringer》！今度こそこれを《木端+微塵/Cut+Ribbons》で処理した岩元だったが、白畑は2枚目の《栄光をもたらすもの/Glorybringer》で岩元のライフを素早く詰めていく。

　岩元も負けじと《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》、《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis》と並べ立てて徐々にゲームを掌握しにかかるが、白畑はそんな懸命な抗戦をあざ笑うかのように3枚目の《栄光をもたらすもの/Glorybringer》を叩きつけ、いよいよ岩元のライフを2まで削る。

　息が詰まるような圧倒的な猛攻。だが、天は岩本を見捨てなかった。岩元が祈るように起動した《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis》の「＋1」能力で捲れたのは《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》！ 即座にプレイしたこのナヒリの「－2」能力と《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》の「－3」能力によって2体の《栄光をもたらすもの/Glorybringer》を処理することに成功し、ようやく危機を脱する。

岩元 伸幸(岐阜)

　こうなると白畑はピンチだ。岩元の盤面には《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》、《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis》に加えて《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》が並んでおり、《リリアナの誓い/Oath of Liliana》によってゾンビトークンも湧いてきている。

　岩元が《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis》の「－X」能力でライフを回復し始め、《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》によるマナ供給を受けながらさらに2枚目の《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis》が現れると、健闘空しく白畑が膝を屈することとなった。